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大人の嗜みごっこ (112) [教養]

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国立国際美術館.jpg

 斬新なデザインの建物です。ちょくちょく前は通るので、何か疑問だったのですが、国立国際美術館でした。地下が美術館でした。


エル・グレコ展.jpg

 行ったのはエル・グレコ展です。

 どうせ私には分からない宗教画のオンパレードなので、行こうかどうか迷いましたが、やる後悔とやらない後悔ではやらない後悔の方が大きい、とヘミングウェイも言っていたし、行く事にしました。

 しかしやはり絵の題材の知識がないので、ほとんどサッパリでした。聖書の何かの話なんでしょうが……。

 絵自体は、1枚を除いて雑な感じがしましたけどね。肖像画の指の描き方とか荒っぽいと言うか、顔はどれも仲代達矢っぽいし。ただ色使いは独特で、ちょっと前のアニメーションみたいなべったりした塗り方はこの時代の画家としては独特でしょうね。

 シスターが観賞に来ていたのが印象的。それとグレコの言葉が壁に書かれていて、それを高校美術部風の女の子がメモしているのが面白かったです。

 ちなみにエル・グレコと言うと思い出すのは、大原美術館。倉敷にあるその美術館は、繊維業で財をなした大原孫三郎氏が、地元の子供たちの教育水準を上げるべく、洋画家の児島虎次郎氏に作品の買い付けを依頼し作った美術館です。そこにあるグレコの受胎告知は、海外の評論家が「ここにあったのか」と驚いた一品だそうで、これの値段は相当だったそうです。都市伝説では、この美術館があったから倉敷は原爆を落とされなかったとか。今回、その受胎告知は来てませんでしたが、別の“色違い”がありました。

 素人の私の見立てが正しいのかは、2013年1月19日~4月7日に東京都美術館でも開催するので、ご自身で確認してみたら~ん?

タグ:絵画



大人の嗜みごっこ (106) [教養]

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大エルミタージュ展.jpg

 大エルミタージュ展に行きました。

 エルミタージュ美術館は、ロシアの女帝エカチェリーナ2世が没落しつつあるヨーロッパ貴族から買いあさって作った美術館です。ヨーロッパのあこがれからか、フランス語のエルミタージュ(隠れ家)と付けられたのでしょう。

 16世紀ルネッサンス、原色の目立つ絵が多かったです。

 17世紀バロック、ルーベンスの『ローマの慈愛』は衝撃絶大でした。

 18世紀ロココと新古典派、女性画家の自画像、絶対実物よりも良く描いてあると思う。

 19世紀ロマン派からポスト印象派、印象派の絵は全体をパッと見る方が良い気がした。

 20世紀マティスとその周辺、ビリケンさんがいました。



大人の嗜みごっこ (100) [教養]

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 記念の100回目と言う事で、今回は知的に美術展です。

1000 マウリッツハイス美術館展 3.jpg

 神戸市立博物館にてマウリッツハイス美術館展に行って来ました。9月29日(土)、開催の初日の9時半に、1時間待ちは覚悟して行ったら、もぎりで5人くらい並んだ程度ですんなり入れました~。嬉しい反面、肩すかしをくらった様な……。でも、中は十分に混んでましたが。


マウリッツハイス美術館展 2.jpg

 この展覧会の目玉はフェルメールの『真珠の耳飾りの少女』です。生きて見る事のないと思っていた絵を見れました。しかしこの絵も有名になったものです。以前の来日の数年前くらいは、日本では知っている人が知っている程度だった感じなのですが。

 この写真は、ここだけ館内で撮影可のところで撮ったのですが、新調のソニーα57に顔認識機能があるのをこの時始めて知りました。カメラは、絵の少女の顔をキッチリ認識したのでした。

 入館して3階に上がると、知らんオッサンの銅像。そして、主に肖像画です。2流画家の肖像画はつまらないです。それより、その先の2流画家、と言ってもその国では名の知れた、しかし世界的ではないくらいの力を持った画家でしょうが、その人達の風景画の方が面白いです。写真もテレビも無い時代に、他地域の風景、文化を伝えるため、後世に残すための愛着やら信念を感じます。

 更に進むと、何とレンブラントの作品も来てました。レンブラント『シメオンの賛歌』、別の画家が同じテーマで描くも、レンブラントの引き立て役です。レンブラントの自画像を見ていると、この人はゲイだったのではないかと言う気がしました。実際は結婚していますが、同性愛がタブーだったので、その穴埋めに自分と言う男の絵を描いていたのかも、と。

 ルーベンスの『聖母被昇天』の下絵なんかもありました。フランダースの犬で最後に出て来るあの絵の下絵です。下絵なので、感動は強くないですが、嬉しい誤算でした。

 そしてメインイベントのフェルメールの『真珠の耳飾りの少女』です。この絵の呼び名、以前は3つくらいありましたが、これに統一されたのでしょうか。ジグザグの順路で止まらずに見なくてはなりません。じっくり見るには、順路を出て、少しだけ下がった場所で見る形です。視力は悪くないので構いませんが、朝日新聞の取材カメラがフラッシュを焚くのが腹立たしい。絵は、意外とキラキラしていました。一説には和服を着ているとも言われ、なぜか写楽の大首絵を思い起こします。ターバンとか服とかは意外と粗いタッチかも。しかし、表情とかは緻密です。別に物語のある絵でもないのですが、なぜにこうも心をくすぐられるのでしょうか。

 そこを出ると、知らない画家の腕自慢みたいな絵が多く出ていました。これはこれで面白いのですが、感動を産み出すものではないですね。

 そして館を出ましたが、美術展を後にする時は後ろ髪を引かれる思いです。もう、2度と見られないのかと思うと悲しくなるのですね。もっとも、来年まで展示していますが。



大人の嗜みごっこ (53) [教養]

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 ワシントン・ナショナル・ギャラリー展に行ってまいりました。色々あって、行くのが面倒になっていましたが、行かないで後悔より行って後悔です。もちろん、行って後悔などしない力作揃いでしたが。

 ワシントン・ナショナルギャラリー展.jpg

 前回のフェルメール展より作家の平均点はずっと高いと思われ、名前を並べると、コロー、クールベ、マネ、ピサロ、ドガ、シスレー、モネ、モリゾ、ルノワール、カイユボット、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホ、ロートレック、スーラ……等々、そうそうたる名前です。

 現物を見ると、本やテレビで見るよりも厚塗りは良く分かりました。筆致は、テレビの機能が上がっていても、中々再現出来ないのですね。平面絵画でも、ほんの少しの立体感を肉眼が感じ取るのでしょうか。

 セザンヌの静物画、どうしてあんな描き方に進化したのだろうか。

 バレリーナのチュチュはドガが一番と思っていましたが、ルノワールのそれも中々のものでした。

 モネの太鼓橋、なぜ橋を描かなくてはならなかったのかと疑問の声を上げる親子がいましたが、きっと浮世絵の影響だと思う。モネの『日傘の女』、3枚描いた内の1枚でしたが、美術の教科書に載っているのとは違っていましたが、もう戻れない夏のワンシーンみたいで、不思議と寂しく感じました。

 マネのは『葉のあるキュウリ』は伊藤若冲?

 ゴッホの3枚が大渋滞を起こしていましたが、感情の起伏を大きかった画家だと思わせる並びでした。農園の絵は機嫌の良い陽気なオッサンに思えるし、白いバラはメルヘンと幻覚の間のオッサンに思えましたし、自画像のバックの描き方とかはやはり何かの狂気を秘めたオッサンに思えました。

 他にも色々な感想があるのですが、長くなるのでこれくらいにして、全体的な印象として、小さい絵が多かったな~と言うのがありました。キャンバスに顔をぐっと近づけて見たいのですが、事故防止とかで足元の柵であまり近づけませんでした。もっとも、印象派の絵は近くで見ても何を描いているのか分からないのも多いでしょうが、細かい書き込みの作品は見づらかったです。それにケチをつけて言っているのではなく、こうした小さい絵を見るにつけ、日本の洋画壇の号いくらでの評価のやり方は一体何なんだと痛感させられました。絵の内容ではなく、(画家の評価)×(絵の大きさ)で値段をつけるアレです。みんな馬鹿馬鹿しいと思いながら一向に止める気配がないのは、日本の社会の到る所にも散見できるでしょうね。

 行けなくて関心のある方は、通販で図録でも買ってください。値段は張りますが……。

関連のパソコンサイト:
http://www.ntv.co.jp/washington/index.html
http://www.ytv.co.jp/washington/



大人の嗜みごっこ (44) [教養]

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フェルメール展 チケット売り場.jpg
 大人の嗜み(たしなみ)はアルコールばかりではない、と言う事で、今回は大人の教養と言う事でフェルメール展に行って来た話題にします。でも、美術は子供も楽しめるから、ブログの路線に反するかも……。

 もっと早く行く予定でしたが、諸々の事情でやっと行く事が出来た『フェルメールからのラブレター展』、ノロノロ台風で行けないかと思っていましたが、逆にノロノロで台風が停滞してくれたおかげで雨にたたられず行けました。悪天候は悪天候なので、さほど並ばず入れると期待していたのが甘かった。どうでもいいですが、なぜ『フェルメールからのラブレター展』なんて変なタイトルを付けたのだろうか?

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50分待ち。

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長蛇の列。あんなアイドルグループ使ってまで宣伝するから、待たされる羽目になるんだ、と心の中で八つ当たり。

 展示はおそらくその国では有名であろうが私は知らない色々な画家の似たような作品があって、最後にフェルメールの作品3点が登場と、実に勿体ぶった配置です。まあ、誰だってそうするでしょうが。

 その他の画家も結構な画力があると思いましたが、先入観を持って見るせいか、何んとな~く見飽きるのが早そうな絵に感じました。よく名画と駄作の違いは、壁にかけて毎日見ていると直ぐに飽きるのが駄作で、ずっと見ていられるのが名画だと言いますが、これらの画家のはちょっと早めに飽きそうです。。

 で、フェルメールの3点「手紙を書く女」「手紙を読む青衣の女」「手紙を書く女と召使い」です。実際見ると、ファン・エイク兄弟並みの精緻な筆致を思っていましたが、それは感じませんでした。狙った効果か、絵具の厚めの塗りで「手紙を書く女」のテーブルクロスがピカピカ光って見えました。やはり、世界的な名声の画家と、その他の国内で有名な画家の違いを見せつけられたと言うか、フェルメールの絵は本当に部屋の中を覗いた感が途轍もなく強いです。他の画家の絵は、切り取られた風景の粋を出ません。「手紙を書く女」はコッチが見ているのか、見られているのか分からないです。

 まあ、絵に興味ない人に下世話な話題を1つ。修復されて世界で初公開となった「手紙を読む青衣の女」の評価額はフェルメール作品では1番高い200億円以上だそうです。


 ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer、1632~1675年)についてこぼれ話を2つばかり。

 フェルメールはカメラ・オブスキュラを使って、陰影の効果を産み出した“らしい”。カメラ・オブスキュラはピンホールカメラみたいな物だそうです。これに関しては異論もあり、今更確かめようも無い事ですが。

 それより面白いこぼれ話がハン・ファン・メーヘレン(Han van Meegeren、1889年~1947年)でしょう。このオランドの画家は自国の至宝フェルメールを絵を、こともあろうにナチスに売りさばいてしまい逮捕されました。その絵は、評論家がフェルメールの初期の重要な作品と位置付けたものでした。裁判にかけられたメーヘレンは自棄(やけ)を起こしたのか、あの絵は自分が描いたと放言しました。ならば時間を与えるから描いてみろと言われ、誰も描けはしないと思っていたのに、描いてみたらあれよあれよとフェルメールそっくりの絵が出来あがったではないですか。それで、その絵を美術史上始めてX線などの科学的な分析が行われ贋作だと分かりました。メーヘレンはナチスに国の宝を売った罪人から、ナチスをだまして金を巻き上げた英雄と言われる様になりました。大恥をかいたのは評論家で、ある評論家は死ぬまであれは本物だと言い続けていたそうです。
 ニセ物だと分かってしまうと、味気の無い絵だとか言われますが、当時は評論家の勘で真偽を見定めていたそうですから、書き込みの少ない絵はフェルメールが技法を確立する前の初期の作品と思われたのも仕方ないのかも。


『フェルメールからのラブレター展』

京都展
2011年6月25日(土)~10月16日(日)
京都市美術館

宮城展
2011年10月27日(木)~12月12日(月)
宮城県美術館

東京展
2011年12月23日(金・祝)~2012年3月14日(水)
Bunkamura ザ・ミュージアム



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