大人の嗜みごっこ (44) [教養]
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大人の嗜み(たしなみ)はアルコールばかりではない、と言う事で、今回は大人の教養と言う事でフェルメール展に行って来た話題にします。でも、美術は子供も楽しめるから、ブログの路線に反するかも……。
もっと早く行く予定でしたが、諸々の事情でやっと行く事が出来た『フェルメールからのラブレター展』、ノロノロ台風で行けないかと思っていましたが、逆にノロノロで台風が停滞してくれたおかげで雨にたたられず行けました。悪天候は悪天候なので、さほど並ばず入れると期待していたのが甘かった。どうでもいいですが、なぜ『フェルメールからのラブレター展』なんて変なタイトルを付けたのだろうか?
50分待ち。
長蛇の列。あんなアイドルグループ使ってまで宣伝するから、待たされる羽目になるんだ、と心の中で八つ当たり。
展示はおそらくその国では有名であろうが私は知らない色々な画家の似たような作品があって、最後にフェルメールの作品3点が登場と、実に勿体ぶった配置です。まあ、誰だってそうするでしょうが。
その他の画家も結構な画力があると思いましたが、先入観を持って見るせいか、何んとな~く見飽きるのが早そうな絵に感じました。よく名画と駄作の違いは、壁にかけて毎日見ていると直ぐに飽きるのが駄作で、ずっと見ていられるのが名画だと言いますが、これらの画家のはちょっと早めに飽きそうです。。
で、フェルメールの3点「手紙を書く女」「手紙を読む青衣の女」「手紙を書く女と召使い」です。実際見ると、ファン・エイク兄弟並みの精緻な筆致を思っていましたが、それは感じませんでした。狙った効果か、絵具の厚めの塗りで「手紙を書く女」のテーブルクロスがピカピカ光って見えました。やはり、世界的な名声の画家と、その他の国内で有名な画家の違いを見せつけられたと言うか、フェルメールの絵は本当に部屋の中を覗いた感が途轍もなく強いです。他の画家の絵は、切り取られた風景の粋を出ません。「手紙を書く女」はコッチが見ているのか、見られているのか分からないです。
まあ、絵に興味ない人に下世話な話題を1つ。修復されて世界で初公開となった「手紙を読む青衣の女」の評価額はフェルメール作品では1番高い200億円以上だそうです。
ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer、1632~1675年)についてこぼれ話を2つばかり。
フェルメールはカメラ・オブスキュラを使って、陰影の効果を産み出した“らしい”。カメラ・オブスキュラはピンホールカメラみたいな物だそうです。これに関しては異論もあり、今更確かめようも無い事ですが。
それより面白いこぼれ話がハン・ファン・メーヘレン(Han van Meegeren、1889年~1947年)でしょう。このオランドの画家は自国の至宝フェルメールを絵を、こともあろうにナチスに売りさばいてしまい逮捕されました。その絵は、評論家がフェルメールの初期の重要な作品と位置付けたものでした。裁判にかけられたメーヘレンは自棄(やけ)を起こしたのか、あの絵は自分が描いたと放言しました。ならば時間を与えるから描いてみろと言われ、誰も描けはしないと思っていたのに、描いてみたらあれよあれよとフェルメールそっくりの絵が出来あがったではないですか。それで、その絵を美術史上始めてX線などの科学的な分析が行われ贋作だと分かりました。メーヘレンはナチスに国の宝を売った罪人から、ナチスをだまして金を巻き上げた英雄と言われる様になりました。大恥をかいたのは評論家で、ある評論家は死ぬまであれは本物だと言い続けていたそうです。
ニセ物だと分かってしまうと、味気の無い絵だとか言われますが、当時は評論家の勘で真偽を見定めていたそうですから、書き込みの少ない絵はフェルメールが技法を確立する前の初期の作品と思われたのも仕方ないのかも。
『フェルメールからのラブレター展』
京都展
2011年6月25日(土)~10月16日(日)
京都市美術館
宮城展
2011年10月27日(木)~12月12日(月)
宮城県美術館
東京展
2011年12月23日(金・祝)~2012年3月14日(水)
Bunkamura ザ・ミュージアム
「真珠の耳飾りの少女」もそうですが、
見られていると思わす目の描写がすごいですね。
by コバヤン (2011-09-24 08:07)
>コバヤンさん
右から見ても、左から見ても、見られていました。写真では出来ない、絵のさせる技かも。
by トリック (2011-09-24 08:36)
魅力的なんですが、後の人から急かされる様な展覧会は嫌ですねぇ…
by Umi-Bozu (2011-09-25 13:26)
>Umi-Bozuさん
お気に入りの絵の前でじっと考える余裕はないですね~。
by トリック (2011-09-25 19:13)